にて




何故こんな事になってしまったのだろう。

辛うじて能力は使えるが、乱用は無理な程衰弱している。

当分の間はこの件に関わらなければならなくなった。

こんな事をしている場合じゃないのに。

いや、まあ、確かに今起きている事も、十分に異変であり、むしろ今までの異変の中でもかなりヤバめの方に入る物ではある。

あるが。

もはやそんな状況じゃないのだ。

・・・・。

この件は霊夢に丸投げして、私は自分が元に戻る事に集中するしかない。

結論からぶっちゃけてしまえば、今の私一人じゃ無理だ。

協力者を探さなければならない。

私に快く協力してくれる者がこの幻想郷にどれだけ居るだろう。

いやいや、利害さえ一致していればどうという事もなさそうだ。

この異変を解決の方向・・・・というか、彼女(等)からすれば自分に起こった不運を薙いでいるだけだろうが、

とにかく解決の方向に導こうとした妖怪なら何人か居た。

そいつらから当たってみよう。


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「じゃーんけん」

「「ぽん」」

萃香:ぐー。
霊夢:ちょき。

霊夢はじゃんけんに負けた。

「よーしゃ!・・・・で、これ、なんのじゃんけん?」

「萃香にはちょっと天界にぶっ飛んでもらいます」

「なぬ?」

「はい腕貸してー」

「?」

「よっこら」

「!?」

「しょー!」

霊夢は萃香の腕を掴んで、力任せに空の彼方へ投げ飛ばした。


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「じゃーんけん」

「「ぽん」」

小町:ぐー。
霊夢:ちょき。

霊夢はじゃんけんに負けた。

「・・・・で、これはなんのじゃんけブハッ!?」

霊夢は小町をビンタした。

「なによう。皆何で最初にグーだすのよ。私がつい最初にチョキだすからって!」

「知らないよそんなこと!霊夢がじゃんけんに勝てない事から霊夢が最初にチョキを出す癖がある事まで知らないよ!」

「小町には私に手っ取り早く力が身に付く方法を教えてもらいます」

「け、決定事項?」

「なんか死神っぽい感じだと尚よし」

「それは霊夢の好みの問題だろう!?」

「なんかないの」

「・・・・あるっ!」


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「霊夢、準備はできたー?」

「私は出来てる。あなたに教えてもらった・・・・なんだっけ、あのあれも制御できるようになったし」

「虚化もどきね。こっちも一応の準備は全部終わってるよ。博麗神社の地下に特設した■■■の封印場も完成したし、あんた用の食料もたんまり用意した」

「封印というのもちょっと語弊が在るような気も・・・・まぁ封印でいいのかしら。わざとこじ開けて時間稼ぎしてみるってだけだけど」

「霊夢が■■■を開けたらあたいは直ぐに漏れ出した亜空間を霊夢から全力で引き離す」

「小町が引き離し始めたら私は亜空間を結界に閉じ込める」

「これをやらないとどれぐらいで開いちゃうんだっけ」

「二日。でも私達が頑張っておけば2週間は持つ。その間に紫の復活が出来なければ・・・・」

「まぁ居ても気休めだと思うけどねえ、あたいは。ぶっちゃけ幻想郷は終わりだよ」

「それじゃあ始めましょう」

「・・・・教えたあたいが言うのもなんだけど、もうちょっとその仮面、趣味の良いモンに出来なかったの?」


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比那名居天子は焦燥していた。

久々に現れた友人に挨拶する暇もないほど。

何故こんな事になったのかさっぱりわからない。

そこかしこがだんだん黒ずんでいくのだ。

真っ黒になった部分に触った奴が雷に打たれたような衝撃とともに消滅してしまった。

空気すら侵食されていく。

このままだと天界は壊れるだろう。

天界。

というか、幻想郷が。

滅ぶだろう。

「こりゃあ酷いな」

「萃香・・・・さっきも言ったけど、今あなたに構ってる暇がないの。というか、ここは危ないわ。いかにあなたといえども、この・・・・これに触れたら、きっと・・・・」

「ふーん。なんか、マイナス要因の集まった力の塊みたいだね、これ。説明が難しいけど、そうとしか言いようがない」

「力の塊?エネルギーなの?」

「そうだね、エネルギーと言っていいと思う」

「・・・・エネルギーなら、使えばなくなるかしら」

「何考えてるのか知らないけど、とりあえずこの黒いの全部萃めちゃっていい?」

「そんな事できるの!?」

「できるできる。見てなー」


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「萃香。いくらなんでも萃められる量にも限界があるでしょう」

「そうだね・・・・この調子だと1週間ぐらいで限界が来そう」

萃香の頭上には、丸く萃められたダークマターの様な物体が浮かんでいた。

天界を浸食する黒い物質を放っておけば、3日もあれば天界(最悪、幻想郷)は滅んでいただろうが、萃香の能力によってそれは避けられている。

「さっき試したけど、やっぱりあの物質は消費される物だったわ。かなり痛いけど、私がこれを喰らい続ければもう少し延ばせると思う」

「天子。いくらなんでもそんなやせ我慢じゃ限界があるだろう」

「そうね、1週間ぐらいが限界かも」

「・・・・私の上にあるこれの中に直接飛び込むと流石に即死するだろうから、耐えられそうなギリギリの量をお前に送るよ」

「お願い」

「2週間は持つかな・・・・。そんだけあれば霊夢がなんとかしてくれそうな気がするし、まぁのんびり頑張るか、お互いに」


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いくら今の段階で私がゴミのように役に立たなくても、動かなければならない。

霊夢は■■■の処理に手が塞がっているし。

よし、見えてきた。

コーママンション。

今あそこに彼女は居るだろうか。